パニック障害とは

パニック障害

パニック障害とは、まず何の前触れもなく、いきなり苦しい発作(激しい動悸、息苦しさ、めまい、吐き気、しびれなどの症状が現れる)に見舞われます(パニック発作)。ただ発作そのものの時間は短く、少し安静にすれば治まります。

しかし、この発作は短いとはいえ、人によっては死を予感することもあります(死に至ることはありません)。さらに時間や場所を選ばずに突発的に起きるものなので、度々繰り返すと「今度はいつ起きるのか」という不安が常につきまとうようになります。これを予期不安と言います。そして、助けを求められない場所(電車内や人混み など)で同発作が起きる可能性を極力回避できるよう、電車やバスに乗るのを止める、人混みや外出を控えるなど回避行動をとるようになります(広場恐怖)。これによって、日常生活に支障が起きている状態をパニック障害と言います。なお、パニック発作が起きていても、予期不安や広場恐怖の症状が現れていなければ、パニック障害とは診断されません。ちなみに同障害は女性に発症しやすく、男性患者の約2.5倍とされ、60歳を過ぎると減少するようになると言われています。

発症(パニック発作)の原因については、ストレスや過労などが挙げられますが、これらは引き金に過ぎず、遺伝的要因(家族にパニック障害の患者様がいる)や脳の情報伝達物質の異常なども組み合わさるなどして、パニック発作が起きるのではないかと考えられています。

治療について

主に薬物療法と精神療法(認知行動療法)になります。

薬物療法はパニック発作を抑えるために抗うつ薬(SSRI)や抗不安薬(BZD)を使用していきます。SSRIは、パニック発作を確実に抑制するとされ、BZDは不安症状全般に有効と言われています。どちらも副作用は少ないのも特徴です。

また併行して認知行動療法を行っていきます。主に広場恐怖に有効とされる曝露療法を行っていきます。この場合、段階的曝露療法が取り入れられます。これは電車に乗るのが恐怖であれば、最初は家族に電車内に同伴してもらうなどして、容易な段階から挑戦していき、やがて誰の助けもなく一人で乗れるようにしていくというものです。また認知療法によって、認知の歪みに気づくなどして、気持ちを楽にさせるといったことなどもしていき、症状を軽減させるようにします。